もしキャッシングの返済ができないと・・・どうなる?

キャッシングでお金を借りるとき、返せなくなったときのことを考えている人は少ないかもしれません。しかし、実際には返済ができなくなり、破産に至ってしまったという人が毎年たくさん出ます。

返済できない

実際の信用情報機関のデータからも、キャッシング利用件数の約3分の1の異動情報(延滞や債務整理)が存在していることがわかっています。1人の利用者が複数の金融トラブルを抱えていることを考慮しても、返済ができずにいる人の数はかなりの割合にのぼっているのです。

「自分は延滞などしないから大丈夫」と思っている方も多いでしょう。しかし、事故や病気などで急に収入が途絶えてしまうこともないとは言い切れません。返済ができなくなった万が一の場合についても、ある程度は想定しておくべきなのです。

カードローンの公式サイトなどでは、返済ができなくなった場合の対応についてはあまり詳しく記されていません。せいぜい、「返済が遅れそうなときは連絡してくれ」程度の内容です。

しかし、実際に返済が遅れると、貸金業者や銀行はさまざまなアプローチを試みてきます。そこで正しい対応をとらないと大きなデメリットが生じてしまう可能性もあるのです。

延滞は他人事と思わず、万が一返済ができなくなったとき、どんなことが起こるのか知っておくと、慌てずに対応することができるでしょう。

怖い取り立てってあるの?

取り立て

キャッシングの返済ができない。そんなとき、まず思い浮かぶのは、取り立てが来るかもしれない、ということではないでしょうか。借金取りの強面のお兄さんが家まで押しかけてくる、といったテレビドラマなどでのイメージを抱いている人もおられるかもしれません。

結論から言うと、現在、怖い取り立ては存在しません。少なくとも合法的に営業してるキャッシングでは、暴力的な言動や振る舞いで借金を返させようとすることは決してないのです。

家のドアをドンドン叩いて、近所にも響き渡るような大声で怒鳴り散らすといった、旧来の借金取りはもういません。あくまで平和的に交渉し、ときには返済計画についての相談に乗るなどして、なんとか返済してもらえるようお願いする、という姿勢に変わっています。

ただ、合法的に営業していない業者、つまり闇金は別です。彼らは法律など無視した高利を脅迫的な言動や態度で取り立てることを生業としています。合法的な貸金業者が強引な取り立てをやめて以降も、かつてのイメージどおりの恐ろしい取り立てを行っているのです。

闇金には決して関わってはいけませんし、万が一、知らず知らずのうちにお金を借りた時は弁護士などの専門家にすぐ相談すべきです。

怖い取り立てがなくなった理由

実は、いま名前の知られているような大手の貸金業者も、怖い取り立てを行っていた時代がありました。しかし、現在、そんな取り立てをする貸金業者は存在していません。恐ろしい取り立てがなくなったのは、取り立ての方法自体が社会問題化したからです。

借り手の生活をおびやかすような問題のある取り立て方が、ニュースなどに取り上げられクローズアップされた結果、貸金業者は大きな批判に晒されました。そして、バブル崩壊やずさんな審査による融資なども重なって、その多くが経営危機に陥ったのです。

強引な取り立てを禁止する法規制の成立もあり、健全な経営への建て直しの過程で批判を浴びるような強引な取り立ては行われなくなったのです。さらに近年ではグレーゾーン金利の廃止もあって、キャッシング業者は以前のような高い金利をとるわけにはいかなくなりました。

そのため、利用者を広く集める方針に転換したわけですが、それには企業イメージがとても重要です。テレビCMに人気タレントを起用し、企業イメージをアップさせることで広い層から利用者を集めようとしているのがいまのキャッシングなのです。

そんな企業イメージ重視のキャッシングにとって、強引な取り立てを行なうことは自分で自分の首を絞める行為に等しいです。このような理由で、現在怖い取り立ては完全に行われなくなったのです。

怖い取り立てはなくても返済の請求はある

督促の電話

かつてのような恐ろしい取り立てはもうありません。しかし、返済の請求は当然あります。キャッシング業者としてはお金を貸したまま放置するわけにはいかないからです。

キャッシング契約をするとき、携帯電話、自宅電話、勤務先の電話番号などの情報を伝えていますから、そこに返済を督促する電話がかかってくることになります。自宅に封書が届いたり、実際にスタッフが訪問をしてくることもあります。

内容は返済が遅れていること、そして支払わなければならない金額についてです。電話や訪問の場合は、いつ返済ができるかを尋ね、支払日を約束する、ということも行います。支払日が約束されれば、請求の連絡はストップします。

ただ、電話での督促にしても実際に訪問するにしても、キャッシング業者側は強引な取り立てにならないよう、細心の注意を払うようです。電話の場合は強い口調を絶対に使わず、あくまで返済についての相談という姿勢で交渉します。

利用者のプライバシーに配慮し、連絡時も個人名を名乗って連絡します。本人以外が電話に出てもキャッシング関係の電話だとは知られないように気をつけているのです。無関係な家族や親類に返済を迫るというようなことはありえません。

さらに連絡や訪問は午後9時以降には行わないなど、さまざまな規制をしています。

実際に返済できないとどうなる?

期日までに返済が行われず、延滞状態になった場合、返済の請求が行われます。これまでに延滞した金額に加え、遅延損害金も加算されて請求されます。

基本はどこまでも交渉となりますが、まったく連絡がつかなかったり、約束した期日までに返済を行わないということを何度も繰り返すと、キャッシング業者も交渉以外の手段をとることがあります。

実際に返済が滞ったとき、キャッシング業者のとる手段は

  • 本人と連絡をとり、返済の交渉をする
  • 契約解除を行い一括請求をする
  • 裁判所に訴える
  • 差し押さえをする

となります。

キャッシング業者の側としても、できれば交渉で済ませたいのが本音ですが、どうしても返済の見込みがつかないときは、やむをえず交渉以外の手段に訴えることもあるのです。この4つの手段は、上から下へ順に進行します。

まずは交渉を尽くし、ダメなら契約解除、そして裁判所への提訴。裁判で請求が認められたときは、場合によっては財産の差し押さえまで行なうこともあります。これらの手順はすべて契約と法律に基づいて行われており、逃れるすべはないのです。

くれぐれも返済の請求を無視することのないようにしましょう。
それでは、返済ができないとキャッシング業者がどのような行動に出るのか。そして、お金を借りた側としてはどのように行動すればよいかを見ていきます。

本人と連絡がとれないとき

着信

まずキャッシング業者はとにかく利用者と連絡をとろうとします。連絡がつかなければ交渉のしようがないからです。キャッシングの審査で自宅に固定電話があったり、持ち家であったりすると有利になるのも、そうした人は連絡がつきやすいからです。

キャッシング業者はとにかく連絡のとりやすさを重視します。
まず携帯電話に連絡をいれます。それでダメなら自宅への電話です。毎日連絡をして、それでも連絡がつかなければ、自宅へ請求書が送られたり、勤務先へ個人名で電話をしたりします。

それでも連絡がつかなければ、最終手段である直接訪問となります。自宅への訪問がほとんどですが、勤務先へ訪問するところもあるようです。それ以外の場所への訪問は許されていません。

ただ、スタッフを現地に派遣するのは手間もコストもかかりますから、実際は電話と書面による請求がほとんどです。特に消費者金融の場合は、過去の取り立てが批判されたこともあり、直接訪問にはあまり積極的ではないようです。

この時点で利用者側が注意すべきことは、とにかく電話に出ることです。連絡がつきさえすれば、次の段階へと進むことはほぼありません。返済が厳しければ、返済の猶予や返済額の減額についての相談にも乗ってもらえます。

くれぐれも電話連絡や封書を無視しないことです。

返済の見込みがないと判断されてしまったら

キャッシングのカード

どれだけアプローチしても本人と連絡がつかない、または約束した期日に返済が行われない、となると、キャッシング業者は次の手段をとります。それは契約解除です。
契約が解除されるとまず、借りたお金の全額を一括で請求されます。

これまで分割払い、もしくはリボ払いで良かったのは、期日までに返済をすると約束していたからです。その約束を破ることは自分から契約を破棄したものとみなされます。そのため、約束を守ってもらえなかったキャッシング業者側は自由に契約を解除し、一括請求できるのです。

この契約解除は、延滞状態が2ヶ月以上続くと行われるようになります。キャッシング業者から内容証明が届いたら、それは契約解除され、一括請求されているということです。
契約解除されてしまうと別の重大なデメリットが生じます。それは信用情報に傷がつくことです。

いわゆるブラックリスト入りの状態となり、それ以後は一定期間、ローンやキャッシングを利用できなくなります。また、利用中のクレジットカードを止められることもあります。返済を行わず契約解除されてしまうと、生活の他の部分にまで大きな影響が出てしまうのです。

このような状況になってしまった場合も、まず、行なうべきことはキャッシング業者と連絡をとり、返済について相談することです。一括請求されたとはいえ、キャッシング業者側もいきなり全額払ってもらえるとは考えていません。

こちらが返済をする姿勢を見せれば、分割払いにも応じてもらえます。この状態でも無視を決め込むと次はいよいよ大変なことになります。

裁判所からの封書が届いたらどうする?

裁判所からの封書

連絡がつかなかったり、まったく返済が行われず、契約解除になってしまった。しかし、キャッシング業者の対応はそこで終わりではありません。次はいよいよ本格的な回収に入ります。その第1段階が裁判です。

裁判に訴えられてしまうと、自宅住所に「特別送達」と赤字でスタンプが押された封書が届きます。裁判所名も書いてあるため、一目でそれだとわかるでしょう。これは支払督促状というもので、一括請求を求める書面です。

一緒に異議申立書も同封されており、これを出すかどうかでこのあとの展開が変わります。異議申し立てをしない場合、14日間が経過するともう1枚の支払督促状が送られてきます。

この段階でも異議申し立てをしないと裁判にはならず、キャッシング業者側が勝訴したことになります。これによって、キャッシング業者は利用者の財産などを差し押さえることが可能になります。できればこれは避けるべきです。

異議申し立てをした場合、そこからは通常の裁判です。異議申立書には異議があるということだけを書いて返送しましょう。詳しくはそのあと送られてくる答弁書に記載します。答弁書に自分の返済計画について書きます。

それを元に裁判所で話し合いをして、キャッシング業者側との和解を目指すのです。裁判となると尻込みしてしまいますが、実際はキャッシング業者側との返済の交渉をするだけです。

なので、できればこの段階になる前に話し合いに応じておいたほうが苦労も手間もかからずに済むのです。

一番怖いのは給与の差し押さえ

支払督促に対して異議申し立てを行わなかったり、裁判で交渉が決裂してキャッシング業者側の主張を認める判決が下ると、さらなる手続きを踏んだあと、キャッシング業者側は利用者の資産を差し押さえることが可能になります。

差し押さえというと家財道具を無理やり持っていかれるというイメージがありますが、実際に家具や家電製品が差し押さえられることはほぼありません。

というのも、生活必需品は差し押さえができないうえ、換金しても大した金額にならず、コスト的に赤字になってしまうからです。差し押さえの対象になるのはもっぱら利用者の給料です。給料が差し押さえられると、会社に裁判所からの通知が届きます。

そして、毎月の給与から天引きされる形で返済が自動的に行われてしまうのです。給与の天引きは手取りの4分の1までと決まっているので、生活費を根こそぎ持って行かれるわけではありません。

しかし、借金を返せず裁判になり、差し押さえを受けたことを会社に知られてしまうことになります。実際にこうなると、会社に居づらくなって辞めてしまう人も多いようです。ただ、裁判に負けても必ず差し押さえがくるとは限りません。

実はキャッシング業者側は勝訴することで損金処理が可能になり、税制面でメリットがあります。それを目的に支払督促の訴えを提起することも多く、実際に差し押さえに至るのは、じゅうぶんな給与がある人や明らかに計画的な踏み倒しである悪質なケースが中心のようです。

返済の意思を見せましょう

裁判や差し押さえなど、怖いケースについても書きましたが、誰しもがここに至るわけではありません。こちらが返済をする意思さえみせれば、キャッシング業者側も強硬な態度には出てこないのです。

返済ができないとき、気をつけるべきことは

  • とにかく連絡をする
  • 返済の意思があることを示す
  • キャッシング業者からの連絡を無視しない

の3点に尽きます。

特に3番目の「無視しない」が重要であり、裁判や差し押さえに至った人は、そのほとんどがまるで返済に応じようとしなかった方ばかりです。誠実に対応すれば、キャッシング業者側も事情を理解して、返済可能なプランを提示してくれるでしょう。

ただ、踏み倒す意思がなくても裁判に至ってしまうケースもあります。仕事が忙しくなかなか電話に出られなかった、自宅へ届く封書もほかの郵便物に埋もれて気づかなかった、というようなパターンです。

このようなケースも、返済が遅れるとわかった時点で自分から連絡を入れれば起きることはありません。キャッシング契約時の利用規約には、「返済が遅れるときは連絡をすること」という一文が入っているはずです。

連絡待ちにせず、自分から動くことで、のちのちの事態の悪化を防ぐことができます。軽い延滞だからと甘く見ず、きちんと対応していきましょう。