カードローンの契約と解約の注意点【まとめ】

なにかと身近なサービスになってきた銀行カードローン、2015年3月にはついに業界全体の貸付残高が4兆6113億円となり、消費者金融全社の4兆336億円を上回り逆転しました。今後この差は益々開いていくことは間違いないでしょう。

躍進目覚しい銀行カードローンですが運営の主体は銀行です。銀行カードローンの申し込みをする際に、各銀行が作成しているカードローン規定に同意しているはずですが、その契約内容やについて完全に理解している人は少ないような気がします。

銀行カードローンの契約や解約、指定信用情報機関への情報の流れ方について解説します。

銀行カードローン規定には契約期間について怖い事実が書かれている


銀行カードローン規程の契約期間についての部分を詳しく読まず、同意をクリックする人が大半かと思います。

銀行カードローンは残高スライドリボリビング払い方式(残高スライド方式やミニマムペイメント払い方式とも呼ばれます)ですから、銀行が定める月々の最低金額を返済していれば、後はお金に余裕がある時に完済すればいいといった認識ではないでしょうか。

この考え方は間違いで、銀行カードローンには規定の中で契約期間が定められています。

銀行カードローンの契約期間

銀行カードローンの契約期間は、有名所の銀行カードローンでは1年契約が主流で、一部5年契約を採用している事が多いようです。
5年間契約・・・三井住友銀行カードローン、新生銀行レイク
1年間契約・・・楽天銀行スーパーローン、三菱UFJバンクイック、みずほ銀行カードローン、住信SBIネット銀行MRローン

この契約期間は契約終了日の1ヶ月前に顧客及び銀行と保証会社の両サイドが認めた場合に限り、1年間自動延長されるといった仕組みになっています。

自動更新されなかった場合

残念ながら、銀行か保証会社があなたとの取引を延長しないと言った場合についてお話します。
自動更新されなかった場合は、5年契約でも1年契約でも契約期間満了となりますので、契約期間満了と共に全額返済を求められる事になります。期間満了日にお金が無いなどの理由で全額返済を行う事ができなければ、保証会社の代位弁済を受ける事になります(規定にもそのように書かれています。)。

保証会社が代位弁済を行うとどうなる

代位弁済とは、保証会社があなたに代わって債務を支払うことですから、あなたの銀行への債務は保証会社に移り、支払い金利は遅延損害金に変わります。

また、銀行側が代位弁済を行った情報を指定信用情報機関に通知します。銀行カードローンはCIC、JICC,KSCの三社の会員になっていますので、CICの終了状況欄には『本人以外弁済』、JICCの異動参考情報欄には『保証契約代位弁済』、KSCの完了区分欄には『代位弁済』を行ったことが表示されます。

指定信用情報機関に代位弁済を行った状態というのは、金融事故を起こしたことになりますので俗に言われるブラックリストに載ったといわれる状態で、住宅ローンはおろか、クレジットカードや消費者金融の審査に通らなくなります。

また、既存で他のカードローンや消費者金融の契約に定められている『信用状態の悪化』に抵触し、ドミノ倒し的に取引がある金融機関から回収を図られる可能性があります。

このように、仮に自動延長されない場合はとても不都合な事態に陥りかねません。

当たり前の様に自動更新されると思ってはいけない

銀行カードローンの説明サイトを読むと、『普通にしていれば、自動更新されるから大丈夫』といった類の説明がなされています。当たり前の様に自動更新されるかの様な印象を受けますが、契約更新時において銀行が何をするのか解説します。

契約期間終了1ヶ月くらい前に銀行と保証会社の再審査が行われ、パスしたら延長される

契約期間終了1ヶ月くらい前に実は再審査が行われます。再審査とは、あなたの限度額が本当に適正なのか、あの厳しいとされている銀行と保証会社の審査をもう一度受ける事になるのです。

住所や勤め先の再確認もするところが多いので、変更があった場合は忘れずにキチンと更新しておきましょう。違っていた場合心象が悪くなり、審査にマイナスのポイントを与えます。また、収入に変化があった場合、再度収入証明を求められる場合もありますので、用意しておくといいでしょう。

他の借入を増やしていたら注意

銀行カードローンの審査に通った後に、他の金融機関から借入を増やし信用状態が変わっている場合は注意が必要です。再審査では当然、指定信用情報機関に照会をして、あなたの借入総額や契約総額を引き出してきます。

その上で、現在与えられている限度額が適正か審査しますので、場合によっては限度額の縮小や最悪、限度額がゼロにされてしまう(契約延長されず)事態も起こりかねません。

他社の利用状態に気をつける

銀行カードローンの信用状態の確認は、CIC、JICC,KSCの三社に照会しますので、マイナス材料を隠すことはほぼできません。仮に他の銀行や消費者金融で金融事故が記録されていた場合は、その情報をもってして再審査の更新はされないと思った方がいいでしょう。

また、金融事故までいかないような小規模延滞を他社で起こしてしまっていた場合(CIC、KSCにはその情報が現れます)でも、再審査にマイナスの影響を与え、限度額の減額や更新されずの判断になる場合もありますので、金融取引については絶対に利用状態を悪くしてはいけません。

契約期間内に完済できる余裕が欲しい

契約期間内に必ず返済しないと駄目という事はありませんが、契約が延長されるか否かは銀行と保証会社サイドが生殺与奪の権利を握っています。

多少理不尽に感じるかも知れませんが、銀行も保証会社(特に保証会社は死活問題です)も取りはぐれは防がないといけませんので、当たり前の様に審査を通してもらえると思ってはいけません。

普通にやっていれば自動で延長されるというのは、ちゃんと毎月返済していればOKというわけではなく、銀行ローンの審査に落ちてからは借入を増やさない、延滞は一切行わないなど気をつけないと、限度額減額や更新されないなどの不都合な事態に陥るという危険性があると言う事を認識し、極力契約が減額・打ち切りされても払えるように余裕を持った借入をしてください。

契約期間は1年より5年のほうがいい?

前項で契約期間の更新時には再審査が行われ、契約が延長されない危険性をお話しました。
では、契約期間は1年間よりも5年間のカード会社を選んだほうがいいのかについて解説していきます。

契約期間が1年間であろうが、5年間であろうがいつでも契約は切れる

通常、企業同士の金銭貸借契約書には清算条項(相手先の会社が民事再生手続き等を行ったら契約が無効化される)が事細かく記されていますが、個人のカードローンに関しては、この事が細かく書かれていません。

銀行各社が作るカードローン規定には、『銀行もしくは保証会社が※必要と認める相当の事由があるとき、契約期間中であっても契約を打ち切ることができる』旨が書かれています。

この『相当の事由』が該当するケースを弁護士の先生に確認したことがあるのですが、他社での金融事故(大規模延滞、代位弁済など)はまず該当するとして、延滞や過剰借入状態でも『相当の事由』に該当したとして契約を打ち切られる可能性は否定できないとの回答でした。
参考文献・・・https://www.bengo4.com/shakkin/1046/1176/b_475591/

とはいうものの、1年契約よりは5年契約がいい

契約期間中、『相当な事由』に該当したと銀行や保証会社側が感じただけで契約は何時でも打ち切る事ができます。では契約期間5年でも1年でもどちらでも変わらないのかというと、そうでもありません。契約期間中に打ち切るのと、契約期間満了で終了させるのでは、法的リスクが銀行側にとって違うからです。

というのも、先にあげたとおり、銀行カードローンの契約を打ち切られると、消費者は破綻状態に陥ってしまいます。破綻状態に陥った原因を、「契約期間中に一方的に銀行から打ち切られた事が主因」として法的責任を求められる可能性があるため、銀行側も契約期間中の打ち切りは安易に乱発することはできないと思われます。

1年契約で契約を更新しなければ、それは契約書どおりの契約満了ですので、法的リスクは途中打ち切りよりグッと減ることになります。

契約自体は5年でも1年でも何時でも銀行・保証会社の限度額見直しにはできますが、仮に選べる立場にあるのだとすれば1年契約より5年契約の方が消費者に少しだけ安全と言えるでしょう。

使わないカードローンの契約、解約した方がいい?

銀行カードローンで急場を凌いだ後に、無事完済した後の取扱いに悩む人も多いのではないでしょうか。悩んでいる人には解約をお勧めしています。

というのも、銀行カードローンを解約しないと住宅ローン審査や賃貸保証、国の教育ローンなどの審査など今は考えていなくても思わぬ所でマイナスの影響が出ることがある為です。

銀行カードローンの申し込みをして、限度額を作ると、実際に借入をしていなくても極度額は信用情報機関に登録されます。その極度額は何時でも借りる事ができる状態になっていますので、審査の際にその金額は借りていないから借入金ゼロとして見る優しい配慮などは一切無く、極度額分借りているものとしてみなされます。

銀行カードローンや消費者金融のカードを持っていないという人も安心してはいけません。クレジットカードを複数枚持っていると、それらには全て50万円ほどのキャッシングがついていますから、50万円×枚数分の極度額が与えられており、その分だけ住宅ローン等の審査でマイナスに評価されます。

特に銀行カードローンの場合は、指定信用情報機関のCIC、JICC、KSC全てに登録されますので、全ての金融取引に対して必ずチェックが引っかかってしまいます。完済をして、しばらく使う予定が無いカードは解約をした方がいいでしょう。

解約をしなければ、何時でもまたお金が必要になったときに借りる事ができるという利便性は確かにあります。

ただ、他の重要な審査に悪影響を及ぼす可能性がある事や、お金が必要になったときは改めて限度額の復活の申し込みをすれば事足ります(一度完済の実績があるので、他から借入をしていないなら殆どのケースで審査に通ります)ので、実際に必要になってから動いても十分間に合います。

解約する方法は銀行に電話をして、可能であるならば『解約証明書』や『完済証明書』を貰うといいでしょう。消費者金融大手では発行してくれるようですが、銀行カードローンは銀行によってまちまちの対応のようです。

『解約証明書』は解約の電話をしただけで安心していると、借入先金融機関が指定信用情報機関に解約したという情報を通知し忘れる事もありますので、キチンと解約した証跡を残す意味合いがあります。

『完済証明書』は住宅ローンを組む際に銀行側に求められる事がありますので、金融機関が出してくれるようであれば、一緒に貰っておくといいでしょう。

解約後の指定信用情報機関の情報

最後に解約をした場合、指定信用情報機関の情報がどうなっているかについて、少し触れたいと思います。

解約の通知をすると、指定信用情報機関のクレジット情報(契約毎に住所、生年月日、契約開始年数、極度額、報告日、残債額、返済状況が記録されている)に解約されたことが通知されます。具体的には、

  • CICでは終了状況の欄に『完了』と記されます
  • JICCでは契約終了日の欄に日付が記されます
  • KSCでは返済区分、延滞解消日、完了区分に契約が解約された状態が記されます

これらの情報は解約状態になっていますが、解約されてから5年間は保存されます。住宅ローン審査で昔借りた記録を銀行の人に見せたくない人は時間的余裕を持って解約の手続きをしましょう(ただし、昔借りた契約で住宅ローン審査が通らないといったことは余り無いようです。)。

大体のカードローン規定には、『1年間新たな借入がなければ、契約は解約される』と明記されている所が多いので、実は何もしなくても自動的に解約はされようになっています。

ただし、金融機関内で解約扱いになっているのと、指定信用情報機関にキチンと解約されたと通知されているかは全くの別問題ですので、多少面倒でもキチンと解約されているかを確認した方がいいでしょう。

銀行なのでキッチリしているはずといった過度の期待も禁物です。余り収益にならない事は熱心にやってくれないので、上述したように解約証明書を貰うなど、キチンと証明を貰っていた方が安全でしょう。

いかがでしたか。銀行カードローンの契約から解約までをお話しました。契約は何時までも続くものでと思っている方が多いですが、契約期間が定められている事と、その契約期間中も銀行側や保証会社にとって不都合な点があれば契約を打ち切られる事がある契約になっています。契約が継続されること前提で資金繰りを行うのは控えた方がいいでしょう。

また、使う予定が無い銀行カードローンは解約をして、すっきりと身元をきれいにしましょう。