【図解!】わかりにくいカードローンの「返済」で損をしないように

銀行カードローンや消費者金融のキャッシング返済方法って複雑になりましたね。一昔前は返済期間2年間で毎月の返済額が同じになる「元利定額返済方式」以外なかったのに、現在では「残高スライドリボリビング方式」など何のことか良くわからない返済方式が登場し、各業者の主流になっています。
銀行カードローンや消費者金融のキャッシング返済方法の説明ページを読んで、それぞれの返済方式をキチンと理解できている人って少ないのではないのでしょうか。銀行カードローンや消費者金融のキャッシング返済方式について解説していきます。

返済方式の基本

返済方式は、コアとなる基本を組み合わせて返済方式ができ上がりますので、基本を簡単に説明していきます。

元利均等か元金均等か

元利均等とは、毎月の返済額(元金返済と支払利息の合計)が、返済当初から均等になるように返済していく方式を言います。対して、元金均等とは利息を別々に分けて考え、元金のみを均等に返済していく方式になります。
例えば、
50万円を2年間、金利18%で元利均等定額返済方式を使い返済した場合、
毎月の返済額は24,962円(初回返済 支払金利50万×18%÷12ヶ月=0.75万円、元金1.7462万円、2回目返済 支払金利(50万-1.7462万)×18%÷12ヶ月=0.723807万円、元金1.7724万)となります。
対して、50万円を2年間、金利18%で元金均等定額返済方式(定額の説明は後述)を使い返済した場合
初回の返済額は28,333円(支払金利50万×18%÷12ヶ月=0.75万円、元金返済50万円÷24ヶ月=2.0833万円)、2回目の返済額は28,021円 支払金利(50万-2.0833万)×18%÷12=0.71875万円、元金返済2.0833万)となります。

元利均等は支払額が一定なのに対し、元金均等は支払い初期に支払額が大きくなる特徴があります。つまり、元金均等は最初の返済はキツイものの元金の減りが激しく、後半になるほど、どんどん支払いが楽になります。

元利均等とは、『返済額を元金返済と支払金利を一緒に考える』考え方で、元金均等とは『元金返済のみで返済額を考え、支払い金利は別に考える』考え方です。

元金均等のほうが返済期間も短くなり、総支払い金利は減りますが、大半の銀行カードローンと消費者金融は元利金等しか採用していませんので、元利金等方式だけ理解していただければ大丈夫です。

定額方式か定率方式か

定額方式とは、毎月指定された一定額の元金を支払う方式です。それに対し、定率方式とは、当初借入額に対し、借入額の5%等の定率をかけた元金を支払っていく方式になります。
例えば50万円を20回払いの定額で返済する場合、
定額方式であるならば50万円÷20ヶ月=2.5万円の元金を毎月返していくことになり、
50万円を毎月5%の定率で返済する場合、
50万円×5%=2.5万円の元金を毎月返していくことになります。

元利(返済額を元金返済と支払金利を一緒に考える)か元金(元金返済のみで返済額を考え、支払い金利は別に考える)を組み合わせて、元利定額返済方式、元金定額返済方式、元利定率返済方式、元金定率返済方式の4つの返済方式が考えられるようになります。

返済期間を定める返済方式か定めない返済方式(リボリビング方式)か

上の4つの返済方式は返済期間を決めなければできませんが、オプションで返済期間を定めないことも可能になります。これをリボリビング方式と呼びます。

期間を定める返済方式(単純な元利定額返済方式等)では、借入期間を2年間など定め、2年間で完済するように返済してかなければいけません。

それに対し、リボリビング方式では、返済期間を定めず、借入額が増えても毎月2万円なら定額2万円(定率なら借入額の5%など)を返済していくなど、返済金額や率に着目する返済方式のことを言います。

リボリビング返済方式には更に亜種が存在し(詳しくは後述)、カードローン、キャッシング業者が導入しているのは、元本が追加借入で増えるもしくは返済で減るごとに月々の最低返済額がスライド式に変更されていく方式の『残高スライドリボリビング方式』、
その更に亜種で、追加借入で元本が増えた直後の残高により返済額が変わる方式を『借入時残高スライドリボリビング方式』と呼んでいます(詳しくは後述)。

前項で説明した3つの項目を組み合わせる

前項で説明した3つの基本返済方式の組み合わせにより、下図のように2×2×2=8通りの返済方式にわかれていきます。

ここから更にリボリビング返済方式には、下図の様に亜種が存在し、元本の増減で返済額が変わる『残高スライドリボリビング返済方式』、追加借入で増えた借入時元本により毎月の返済額が変わる、『借入時残高スライド返済方式』にわかれていきます。

このように、返済方式は8通りに加えて、更に残高スライド方式といったオプションを加えた亜種が6通りありますので、14通りの返済方式が考えることができます。

ただし、現状は銀行カードローン、消費者金融のキャッシング業者が返済方式を全て採用しているわけではありませんので、実際のカードローン・キャッシング業界の現状に沿った説明を事項からしていきます。

実際に採用されている返済方式

実際に銀行や消費者金融が採用している返済方式(詳しい説明は後述)は、『残高スライド元利定額リボリビング返済方式』が主流で、大半がこの方式を採用しています。

『残高スライド元利定額リボリビング返済方式』というと長いので大半の銀行や消費者金融は『残高スライド方式』や『残高スライド元利定額返済方式』などと表記していますが、正式名称は『残高スライド元利定額リボリビング返済方式』となります。

また、新規借入時のみで返済額が見直される『借入時残高スライド元利定額リボリビング返済方式』も一部の業者で採用され、業者によっては複数の返済方式から選べる場合もあります。

※ZAIの表から抜粋しました。

主な返済方式のシミュレーションと特徴

返済方式は、多様の方式を作る事はできますが、業者はシステム上や事務上の手間を省く為に一部しか採用していませんので、一番の基本となる『元利定額返済方式』と『元利定額リボリビング返済方式』、『残高スライド元利定額リボリビング返済方式』の3つをシミュレーションと特徴を紹介します。

元利定額返済方式

元利定額返済方式は返済期間を決め、元金と利息の合計となる返済額が完済まで一定となり、全ての金融商品で基本となる返済方式です。住宅ローンや国の教育ローンなどで借りるときも、途中で変更が無い借入ならば、この方式が一般的になります。
借入期間2年間 支払い金利18% 借入金額100万円 で借りた場合をシミュレーションすると、借入期間中の返済は下図の様になります。


図をみればわかるように、元利定額返済方式の特徴は、返済額が終わるまで一定ですっきりとしていて、わかりやすい特徴が挙げられます。返済期間というゴールが見えて、金利負担も見えやすいことから、自制があまりできない消費者にも上手くコントロールできる返済方法と言えます。

この方式を採用して残している業者は、主だった業者では殆どありませんが、ゴールがわかりやすく優れた返済方式ですので、アコム、アイフル、プロミスなどの『貸金業法に規定するおまとめローン』に該当する商品で申し込んだ場合は、この元利定額返済方式が採用されています。(返済回数最大120回)

元利定額リボリビング返済方式

元利定額リボリビング返済方式とは、毎月一定額を設定して、借入額が途中で増えても返済額が一定の返済方式です。「お給料は毎月同じなのに、返済額は毎月一定じゃなくていいの?」というキャッチフレーズのもとに生まれた返済方法です。

支払い金利18% 借入金額100万円 毎月5万円返済の設定で借りた場合をシミュレーションすると、借入期間中の返済は下図の様になります。


何かと批判される事の多いリボリビング方式ですが、キチンとした計算のイメージができる人については問題なく利用することが可能です。今回は設定を元利定額返済方式の5万円に合わせた為、元利定額返済方式と同じ24ヶ月で完済する事ができています。

リボリビング方式が批判される理由の一つに、最初に24ヶ月で返済をする意思がないと、新たな借入をしても設定額以上に返済額が増えない為に追加で借入してしまいやすい点と、設定額を少なく設定してしまうと返済しているつもりなのに元金が減っていかない点です(間違えてリボ払いを設定して、2年間金利ばかり支払っていた例もあるようです)。

元利定額リボリビング方式での返済は、最初にある程度返済期間を考えて金額をどんどん設定しないと、ドロ沼にはまる可能性がありますので気を付けて利用しなければいけません。

残高スライド元利定額リボリビング返済方式

残高スライド元利定額リボリビング返済方式は、元利定額リボリビング返済方式の返済金額設定を顧客から取り上げ、借入残高が減少するとそれに応じて返済額が少なくなるといった返済方式です。(より強力に返済期間を長期化してしまいやすい仕組みになっています。)実際の銀行カードローンの設定でシミュレーションしていきます。

R銀行カードローンの残高スライド元利定額リボリビング返済方式の設定は下図の様になっており、借入額100万円、金利14.5%になっていますので、下図のような結果になります。

図で見ればわかるように、残高スライド元利定額リボリビング返済方式はただでさえ1回あたりの返済額が少ないのに、返済が進み残高が減るとスライド式に返済額が減り、金利が先ほど挙げた例より低いにもかかわらず、総支払利息は増えていきます。

残高スライド元利定額リボリビング返済方式で普通にR銀行の設定する最低額で返済しますと、返済回数が291回と24年間と3ヶ月となり(※実際には契約期間があるので、途中で完済しなければいけません)、月々の支払いに余裕があるように感じますが、実際は元本が返済できていなく、何時まで経っても返済が終わりません。

残高スライド元利定額リボリビング返済方式は、繰上げ返済をしていく事を前提で作られている制度で繰り上げ返済をしなければ返済は何時までたっても終わらないということを良く覚えて置いてください。

補足:『借入時残高スライド元利定額リボリビング返済方式』は残高減少による返済額がスライドせず、新規借入時のステージでの返済額が続き、途中で追加借入を行った場合のみそのステージの返済額に見直される仕組みになっています。(元利定額リボリビング返済方式と残高スライド元利定額リボリビング返済方式の中間イメージ)

カードローンで返済するときの注意点

ここまでで、主要なキャッシング、カードローン業者はリボリビング返済方式(元利均等リボリビング方式、残高スライド元利定額リボリビング返済方式、借入時残高スライド元利定額リボリビング返済方式)を採用していると説明しました。何かと悪評の多いリボリビング返済方式には注意点がありますので、解説していきます。

借入額が増えていても返済額に歯止めがかかり、借金が膨らむ

昔ながらの元利定額方式で返済を行えば、50万円を返済期間2年間で借入れた後、返済期間途中で追加50万円を返済期間2年間で借り入れれば返済額が倍になる事により、これ以上借入ができないと自制し、歯止めがかかっていました。

リボ払い方式は最低額を設定すれば、金利と幾ばくかの元本返済で足りてしまう為、キチンと返済できているので借金額が増えている実感が無いまま、借入を増やしてしまいがちになります。

借入額が増え、返済期間が長くなる

借入額が増えてしまうと、金利の返済だけでカツカツになってしまいます。金利の返済だけでは中々元本が減りませんので、上述したように返済期間が長期化して結局、金利の負担が激増します。

返済総額がわかりにくい

昔ながらの返済方法なら24回払いで金利は幾ら位だから、早く途中返済しようと考えられたのですが、リボ払いはわかりにくく、利息の多さが実感できないように作られています。

契約期間が延長される事前提で考えてはいけない

残高スライド元利定額リボリビング返済方式では、返済額がほとんど最低額に設定されており、返済期間は長期化されてしまいます。

カードローン規定やキャッシングの規定には契約期間(1年間が主流)が定められており、その契約期間は延長される事は多いものの、その時の状況に応じて(他社の借入額増えた等)延長がされない事も当然あり、注意しなければいけません。

業者の思惑にはまらないように返済する

何故多くの銀行や消費者金融は残高スライド元利金等リボリビング方式が主流になっているのかわかりますでしょうか。多くの業者は、『余裕を持った返済をして欲しいから』という説明をしていますが、そこには業者の隠れた思惑があります。

残高スライド元利金等リボリビング方式ですと、返済をして残高が減ると、その分月々の返済額が減る為、何時まで経っても返済は終わりません。

また、返済額が減りますと、キチンと返済できていると錯覚するため、新たな借入を増やしてしまいやすくなり、借入総額が膨らみやすく、返済期間も長期化しやすくなります。業者としては返済期間が長くなればなるほど収益が稼げるので、敢えてわかりにくい、かつ返済が長期化するような返済方法を導入しているのです。

貸金業協会の集計したデータでは、借入理由はギャンブル以外の趣味/娯楽費用が最も高いといったデータがありますので、キチンと返済できているからといって油断せずに、1年間を目処に完済する事を目標に支出を抑え、繰上げ返済を行い業者の思惑にはまらないようにしましょう。

最後に

いかがでしたか。キャッシングやカードローンの返済方法は多様化しており、業者の説明もメリットしか余り触れていないのでわかりにくくなっています。

現在大半の業者が残高スライドリボリビング方式を採用していますので、毎月の返済は最低額を返済するのではなく、お金に余裕がある都度、どんどんと繰上げ返済をする事が正しい利用の仕方になりますので、心にとどめておいて、借入した後はなるべく早く返済するようにしてください。