おまとめローンの歴史と銀行、消費者金融の特徴

何かと良く聞くおまとめローン、一時期はCMや広告が多く打たれていましたので、なじみがある人も多いのではないでしょうか。おまとめローンは消費者金融複数社から借り入れをしている人にとってみれば、金利削減効果と毎月支払額減少で便利なサービスです。

この便利なおまとめローンは何故生まれたのでしょうか。おまとめローン誕生の歴史と種類や審査などについて解説していきます。

おまとめローンの歴史

おまとめローンの歴史は、1990年代~2000年代に行われた金融ビックバンによる規制緩和の流れで生まれました。

日本でのおまとめローンの先駆けと言われるのは、東京スター銀行で、2003年から取扱いを開始した『バンクベスト』というサービスがおまとめローンの原型になっています。

当初、『バンクベスト』はクレジットカード・消費者金融の無担保ローン・キャッシングの借り換えを一本化することに使途を限定した貸付で、開始当初は自宅の抵当権が必要などだった有担保型ローンでした。

有担保型ローンでスタートしたものの、2006年ごろから保証会社(東京スター銀行の子会社TSBキャピタル)の信用保証を受ける無担保型ローンに変貌します。

2008年には貸金業法の総量規制が法律で決定され、消費者金融で複数社から借り入れていた多重債務の方たちは、総量規制をオーバーしている分の返済をする為に、新たな借入先を探す必要が出てきました。

おまとめローンは時代の変貌にマッチしており、東京スター銀行以外のメガバンクなども、おまとめローンと同じ機能の銀行カードローンの商品を作り、貸金業法の総量規制に引っかかり、借り換えが必要になった顧客の囲い込みにかかります。

2016年現在は、開始当初こそ銀行のおまとめローン(借り換えに使途を限定したローン)と銀行カードローン(使途自由のローン)ときちんと2つ区別があったものの、現在ではその垣根が無くなり、おまとめローンを廃止し、銀行カードローンのサービスの中で、おまとめ目的として対応する銀行が大半のようです。

実際におまとめローンの先駆け的な存在であった東京スター銀行でも、現在はおまとめローン『バンクベスト』の新規サービスはホームページ上の商品一覧から姿を消しており、通常の銀行カードローン『スターローン』での対応になっています。

銀行のおまとめローンと消費者金融のおまとめローン

おまとめローンには、銀行のおまとめローンと消費者金融のおまとめローンの2つにわける事ができます。この2つについて解説します。

銀行のおまとめローン

銀行のおまとめローンは、本来では買い入れの使途・目的が他社の借り入れ分の返済に充てる事を限定したサービスです。しかし、現在では使途自由の銀行ローンから借り入れを行い、他社の借り入れを返済する事をおまとめローンと呼ぶ人たちもいるようです。

借り換え目的に使途を限定したおまとめローンは、日本ではかつては東京スター銀行、関西アーバン銀行、スルガ銀行、オリックス銀行、じぶん銀行、楽天銀行がサービスを行っていました(ウィキペディアより抜粋)。しかし、現在では殆どの銀行がサービスの新規受付を終了し、通常の銀行カードローンに統合されています。(現在新規でサービスを受け付けている銀行は確認できていません)

使途限定おまとめローンと銀行カードローンは仕組みこそ殆ど同じですが、契約書とサービスの一部が違います。使途限定おまとめローンの返済方法は元利金等返済方式で、5年~10年間の期間を決めて、毎月の支払を行っていきます。

それに対して、銀行カードローンは『残高スライド方式』ですので、返済期間にこれといった取り決めがありません。

銀行がおまとめローンのサービスをやめて、カードローンにサービスに統合し始めたのは、手間を省く為というのもあったのでしょうが、期間を決めて返済をしてもらうよりも、期間を決めず少ない金額を払い続けてもらったほうが長期的に利鞘は稼げて儲かるといった思惑があるようです。

消費者金融のおまとめローン

消費者金融のおまとめローンは銀行のサービスとは少し違います。消費者金融の場合、貸金業法の総量規制が適用されるため、銀行カードローンと違い融資使途を限定しなければ、総量規制違反になり、金融庁検査の際に厳重注意や場合によっては罰則が科せられてしまうからです。借り入れた資金も、必ず借入消費者金融から直接、返済先に返済する仕組みになっており、他の目的への流用を防ぐ徹底振りです。

消費者金融の総量規制の例外に、『段階的な返済のための借り換え』といった項目があり、顧客が有利になるような契約の借り換えについては総量規制が適用されないといった事があります。

例えば、総量規制枠100万円の人が、業者Aと業者Bから50万円ずつ金利18%で借り入れをしている場合、業者Aと業者Bに返済をする目的で業者Cから金利15%で100万円借りる契約を結ぶことは、一瞬ではあるが総量規制をオーバーするため認められませんが、例外項目を作り認めているのです。

業者Cは顧客に有利な契約出なければ総量規制の例外として認められませんので、金利が低いクレジットカードキャッシングや同じ金利の消費者金融の借入金をまとめる事はできません。同様に、銀行カードローンやクレジットカードのショッピングも消費者金融のおまとめローンでまとめる事はできません。

この様な事から、消費者金融系のおまとめローンのサービスは、金利節約効果が薄い(18%が15%になる程度)事に加えて、銀行カードローン・キャッシング・クレジットカードのショッピングに利用できず、一部しかまとめる事ができずに不便と言う意見も見られます。

ただ個人的な意見としては、消費者金融おまとめローンで、借入先が4社→2社に減らせれば、銀行カードローンの増額や新規審査通過の可能性が高まりますので、土台作りといった面では十分活用できます。多重債務と思う方は、銀行カードローンの審査は通らないことが多いので、借り入れ先件数削減の目的から利用を検討するのもいいでしょう。

おまとめローンの審査

おまとめローンで主流となっている、おまとめ目的の銀行カードローンの審査について解説します。

実は銀行カードローンの審査でおまとめ目的として伝えたとしても、目に見えて審査結果が良くなると言った事実はあまり聞きません(銀行によっては加味してくれる所もあるかもしれませんが、個人差が大きくごくごく一部の話です。)。

というのも、銀行側からみれば、おまとめ目的だからといって銀行カードローンの限度額を大きく与えたとしても、借り入れた顧客がキチンと既存の借入先に対し返済するとは限りませんし、仮に返済したとしても、また何時でも借りる事ができる状態(おまとめローン中でも新たな借り入れをできなくする強制力はありません)になっている訳ですから、余り審査でプラス材料にする事ができないのです・

但し、『ギャンブル資金』や『生活費目的』等で大きな限度額を求める人よりは現実的な目的であるとみなす事ができますので、銀行カードローンの審査を受けるときの利用目的は、『借り換え目的』や『その他』を選択し(※『借金返済の為』は選ばないようにしてください。一見するとこれも借り換えに入りそうですが、これは借金を新たな借入金で返している自転車操業とみなされます。)、担当者におまとめ・借り換え目的であるとキチンと伝えるといいでしょう。

おまとめローンのデメリット・メリット

おまとめローンのデメリットの一つに、利息制限法による法定充当の再計算を行う事により、払う必要が無かったグレーゾーン金利の債務を一本化されてしまい、過払い金請求ができなくなる問題点があります。昔の29.2%で借り入れを長期間行っていた記憶がある人は、一度専門家に相談するといいでしょう。

メリットとしては金利削減効果と月々の支払額が残高スライドリボリビング払い方式により少なく余裕が生まれる事が挙げられます。(一般的な銀行カードローンの場合、限度額200万円台なら年利約8~10%、月支払額約3万円)

ただし、支払額が減ると言った事は良し悪しです。支払額が減ると意志の弱い人の中には借り換えを行った後に新たな借り入れをしてしまう傾向がある事から、結局借金の総額が増えてしまうケースも多く見られます。意思の弱いと思う人は金利面で不利でも、どんどん返済していったほうが結果として得になる場合もあります。

おまとめローンを利用する場合は、期間を最長5年間と決めて、ミニマムペイメントを払うだけでなく元本を繰上げ返済していくといいでしょう。

おまとめローンの審査通過率とおまとめローンの審査に通るコツ

上述したとおり、おまとめローンも通常の使途自由である銀行カードローンと審査基準に大きな違いがないというのが一般的です。つまり、銀行カードローンの審査通過率がおまとめローンの審査通過率になります。

銀行カードローンの審査通過率を公表しているところは少なく、新生銀行フィナンシャルグループ(レイク)が銀行カードローンとして唯一新規顧客に対しての成約率(審査通過率)を公表しています。

この数字を見ると、13年7-9月は38.3%、14年7-9月は35.7%、15年7-9は33.9%となっています。大手消費者金融が40%台である事を考えると、顧客層の違いは多少ありますが、銀行カードローンとしてレイクの審査通過率は大手消費者金融と比べて更に低いと見ることができます。

新生銀行はどちらかというと、外資系投資ファンドに買収されたことから。リスクをとる企業カルチャーとして知られています。顧客層の違いがあるとしても他の銀行カードローンも新生銀行以下の審査通過率になっているのではないのか(20%台~30%台)と感じます。

銀行おまとめローン審査通過のコツ

銀行おまとめローンの審査通過のコツはで実用的な事をあげますと、各銀行が行っている『借入診断』のサービスを利用してみるといいでしょう。

『借入診断』は30秒もあれば入力できる内容になっている為、各銀行が重視している内容が凝縮されているとみなす事ができます。

『借入診断』を行っている楽天銀行の入力する内容(生年月日以外)

楽天銀行で入力するのは、【他社借入額】と【年収】
その他では【他社借入件数】と【他社借入額】

などを聞かれます。【他社借入件数】を5件以上で入力すると、借入額がどんなに小さくともそれだけでNGが表示されるといった特徴があるところもあります。

これらの結果から、年収は最終的には何処の銀行ローンでも重視する項目ですから、借入件数を重視する銀行や、楽天銀行のように借入件数には比較的寛容な審査方針になっていると推測できるところもあります。借入件数が多い人は、楽天銀行を狙ってみると活路が開けるかもしれません。

大半の銀行カードローンは借入件数を重視します。というのも、借入件数が多いと、金利も高く月々の最低支払額も多くなってしまうのが一般的ですから、パンクしやすいとみなされるのです。

借入総額を減らすというのは中々難しいでしょうが、借入件数は借入残高が少ないところを集中的に繰上げ返済することや、比較的審査の緩い消費者金融のおまとめローンで一部をまとめることにより、部分的に減らすことができます。おまとめローンに通らないときは、借入件数を減らす努力をしてみてください。

初めてのお金の借り入れは銀行カードローンを選ぶ

初めてお金を借りなければいけない事態が起こったときは、お金が必要になるまでの時間の許す限り、銀行カードローンを選択するようにしてください。

というのも、銀行カードローンはおまとめ目的であろうと、別の目的であろうと、審査は非常に厳しいものになっています。

銀行ローンで借入金を一本化すれば十分返せそうな状況でも、買い入れ件数が3社あるだけで借入総額関係なしに審査通過を渋る銀行が大半です。(上述のとおり、審査通過率20~30%台)

銀行カードローンの審査を通る為には、借入件数は0~2件位までではないと通らないのが実態の様です。

逆に、銀行カードローンから始まっていれば、個人向け金融は銀行カードローンを頂点とした、クレジットカードのキャッシング、大手消費者金融、中小消費者金融といったピラミッド構造になっていますので、銀行カードローンの限度額が一杯になっても、大手・中小消費者金融へ流れやすくなります。

逆に、最初に中小消費者金融から借り入れを始めるとやっかいです。上位の銀行カードローンの審査は中小消費者金融から借入を行う人は、突発的かつ場当たり的な資金用途が発生する信用の低い人とみなされ審査に通過しにくくなります。

初めてのお金の借り入れをする時は、銀行カードローンからと覚えておいてください。

いかがでしたか。消費者金融やクレジットカードのショッピングをおまとめローンでまとめることができれば、思いのほか高い金利削減効果を得ることができます。審査通過は難関ですが、借り入れ件数を減らす努力や、各銀行の審査の特徴を上手く把握して突破してください。